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カレンダーの出来るまで

一般的な写真月表の製造工程を順を追って説明します。

※ご注意:ご覧になるPCによっては、動画の再生が出来ない場合があります。

1【企画】
製品の企画・立案です。市場の動向を考慮しながら、大きさ、枚数、紙質、 紙の斤量、使用する写真・イラスト、絵柄・文字等のレイアウトやデザイン、 製本の方法、印刷方法や度数(色数)、価格帯等を慎重に検討しながら決定します。

 

2【製版】
カレンダー本体を印刷するための版を作成します。昔は細かい手作業で 職人の腕の見せどころでしたが、現在の主流はコンピューター上で製版データを 作成しイメージセッター等で出力する方法です。近年はデータから直接刷版を出力 する方法(CTP)もかなり普及してきましたが、再版(同じ印刷物を反復して製作する こと)を考慮して、製版フィルムに出力することが多いです。(製版フィルムから だと比較的簡単・安価に刷版を作成することが可能です。)

 

3【校正】
印刷にかかる前に、出来上がった版が正しいか、また意図した色調に 仕上がっているかの確認作業です。そのための試し刷りを『校正刷り』と 呼び、いわば印刷物の試作品のようなものです。文字等の誤字や脱字を 確認・修正するための作業を『文字校』、写真・イラスト等の色調を 確認・修正するための作業を『色校』と呼ぶこともあります。
また、すべての修正を完了し印刷工程のGOサインを出すことを 『校了』といいます。

 

4【本体の印刷】
カレンダー本体の印刷です。現在の主流はオフセット印刷です。
オフセット印刷機は、印刷できる用紙の大きさや形態(枚葉紙・ロール紙) 一度に印刷できる色数等により、さまざまな種類がありますが 印刷ロット(数量)や用紙の種類を考慮して、最適なものを選びます。
通常、後の製本工程のミス等を考慮してある程度余分を印刷しておきます。
また、印刷工程自体、刷り始めや見当合わせ(多色刷りの場合、各刷色間の 位置関係を合わすこと)で用紙を消費するため、仕上り数よりも多めの用紙が 必要になってきます。(動画はこちら:13.7MByte

 

5【断裁】
カレンダーのサイズや印刷のロットにもよりますが、通常いくつかの月を並べて大きい紙に印刷することが多いので(付け合わせ印刷)、各々を カットする必要があります。また、印刷の工程で印刷機が掴む部分等印刷不可能 な余白が生じるのでこれを取り除く意味もあります。この工程で使用する断裁機は 大きな刃物のついた機械で、ギロチン状に動き紙を切断します。また、ジョガと 呼ばれる紙を揃える機械を併用することが多いです。この作業でカレンダーは 製品の大きさに切りそろえられます。 (動画はこちら:15.3MByte

 

6【丁合】
断裁の終わったカレンダーは、まだ各月毎に積み重ねられた紙の束です。
これを1枚ずつ、表紙から順番に1月・2月・・・・・・・12月まで 順番に重ねて揃える作業です。昔は手作業でしたが現在は丁合機と呼ばれる 機械作業が主流です。この後、『天のり』というカレンダーの上部をのりで 固める作業が入ることがありますが、現在は丁合後そのまま天綴じの工程 に入ることが多いです。また、紐付き製品の『紐付け』加工は、この丁合の 工程と次の天綴じの工程の間に入ります。



丁合の動画はこちら:12.9MByte
丁合〜金具綴じ連動機の動画はこちら:12.5MByte
手丁合の動画はこちら:6.6MByte

 

7【天綴じ】
さまざまな方法がありますが、現在の主流は金具製本とホットメルト製本です。

カレンダー金具は飲料缶用等の再生品に彩色を施したもので、専用の機械で カレンダー本体の紙を綴じます。コストが安く生産性も高いので、幅広く用い られてます。ホットメルト製本と比較して環境に良くないというイメージが先行 しているようですが、実際には分別さえしっかりすればリサイクルの効率も良く、 もともと再生品ということもあり環境にはやさしい製品だとも言えます。 (動画はこちら:13.7MByte

ホットメルト製本は、近年急速にその数量を伸ばしてきた方法です。カレンダーの 上部に穴を開け、その中にホットメルトと呼ばれる高温で溶ける樹脂製の一種の糊の ようなものを流し込み、ヘッダーと呼ばれる厚紙を巻いて仕上げたものです。これも 専用の機械が必要になります。コストや生産効率で若干金具には劣るものの、全て紙 で出来ているため環境問題等のイメージが良く、またゴミ分別の手間もいらず人気が 高くなってきました。

他には、ツインリング製本・熱圧着等の方法があります。

ここまでで、カレンダーは完成品となり、数量を数えて箱詰めされます。
その後、倉庫等で保管され無地出荷のものはそのまま梱包・出荷されます。

また上記の【断裁】【丁合】【天綴じ】の工程をまとめて【製本】と呼ぶこともあります。



 

8【名入れ印刷】
名入れ印刷の方法は、製品によりオフセット印刷、シルク印刷、 箔押し(ホットスタンプ)等を使い分けますが、ここでは一般的なオフセット印刷 について説明します。カレンダーの名入れに用いるオフセット印刷は、大きく2つの 方法に分けることが出来ます。1つは『バラ刷り』もう一つは『チャリンコ』です。

なお、どの方法を用いてもカレンダー本体と同様に【製版】【校正】の作業が必要に なります。作業内容は小規模なだけでカレンダー本体の場合と同じです。単色の 線画印刷(写真等の中間調を再現するための網点を含まない)の場合は、昔ながらの 製版カメラによる製版方法が根強く残っていたりします。

・バラ刷り
カレンダーを製本する前の状態(1枚1枚バラバラのシート状の紙)で印刷する 方法です。チラシやポスター等の一般の印刷をする際に使用する枚葉機と呼ばれる 印刷機で印刷します。網点の再現性に優れ多色刷りの際の見当も正確、印刷スピード も速く、1枚あたりのコストも安いですが、イニシャルコストが高く、多量の予備紙 が必要になります。どちらかと言えば、多量の印刷に向いた方法と言えます。 バラ刷りで印刷した商品は、印刷後に製本が必要になります。 (動画1はこちら:10.4MByte)(動画2はこちら:15.3MByte

・チャリンコ
平台印刷機を用いた印刷方法です。機械の動作するときの音から通称『チャリンコ』 と呼ばれています。この方法では、完成品のカレンダー(天を綴じたもの)や、 台紙等の厚紙など通常の印刷機では不可能なものが印刷できます。印刷機の構造は 比較的単純で、机状の台の上を『胴』と呼ばれる円筒形の転写面が転がりながら 往復運動をして印刷する仕組みになっています。胴が手前に来たときに印刷され、 奥側に行っている間に人間が紙を1枚ずつめくります。予備紙が少なくて済み、 イニシャルコストも安いのですが、構造上、網点の色の再現性や見当の正確さでは バラ刷りに及ばず、スピードも遅いです。また、人間が手で摘んでめくるため めくりシワ(紙癖)がつきます。めくりシワはインク乾燥後、延ばして箱詰めする ことにより、気にならない程度まで回復しますが完全に除去は出来ません。どちらか と言えば、小ロットの印刷に向いた方法です。印刷後は、乾燥・箱詰めをしてすぐ に出荷できます。 (動画はこちら:4.8MByte



 

 

取材協力:アキラカレンダー(株)・明和カレンダー(株)・(株)桝商店 順不同・敬称略